こころの専門家は沢山います。

■癒しを提供する様々なカウンセラー

 今日、身体的なケアから、心理的なケアまで、癒しをテーマにしたものが非常に多く存在します。また、今日では、○○カウンセラー、○○カウンセリング、○○セラピスト、○○セラピーという言葉はよく聞かれます。例えば、美容院で髪形を相談すること、女性の化粧品選びで相談することもカウンセリングと呼ばれています。実際的に、カウンセリングとは相談することの意です。一方、そのような日常の次元ではなく、心の問題を取り扱う場合でも多くの○○カウンセラーが存在しています。基本的に国家資格はないので、どの名称のカウンセラーもどこかの民間団体の認定資格か、もしくは自称カウンセラーということになります。ご自分の相性や、本当に自分のことを理解し適切な対応を考えてくれるかどうかを、ご自分で判断する必要はあるのでしょう。

■臨床心理士とは

 臨床心理士とは(財)臨床心理士資格認定協会により認定された資格です。取得するためには、大学卒業後、協会指定の大学院にて、定められたカリキュラム(知的な学習、実践的な研修、研究)を終了し、試験に合格する必要があります。年々増えていますが、現在、日本には約2万人程度いて、先にも触れたように、多領域で活動しています。基本的な業務として、①心理面接、②心理検査等による心理アセスメント、③地域援助活動、④研究の4本柱があります。そして、他の資格の方とも重複しますが、それぞれに人間を理解する上での拠って立つ理論や、それに基づくセラピーの設定や技法があります。「カウンセリングと心理療法の違い」でも触れますが、私の知る限りでも心理的援助の方法として、精神分析的心理理療法、交流分析、箱庭療法、認知行動療法、パーソン・センタード・アプローチ、マイクロカウンセリング、行動療法、動作法、EMDR、催眠療法など、実際には100種類以上のセラピーがあると言われています。また、複数人でのグループでセラピーを行う集団精神療法もあります。精神分析的集団精神療法、エンカウンターグループ、サイコドラマなどがあります。働く場所、援助する対象により、適したものを提供していく柔軟性と幅広い知見が必要となってきます。ご自分がセラピーを受けるときに、提案されるアプローチがご自分の状況に適合しているのか、自ら確かめる目を持っていることも重要ではないでしょうか。

■現代の多様な資格に代表されるカウンセラー

 近年、多くの民間団体が、独自の民間資格を出しています。週十時間の講習を受けて取れる資格から、大学院へ行かなければ取れない資格まで様々です。どのような資格を持っているのかというよりも、その人の臨床的な力量や豊富な経験、さらには人柄などが重要になってくると言えます。臨床心理士や心理カウンセラーといった場合、例えば、精神保健・教育・福祉・産業・司法・子育て支援・災害者支援・行政機関・・・と言った非常に多くの領域での援助を包括的にカバーしているため、具体的に何をするのか一般的には見えにくいかもしれません。現在のところ、日本での最大の民間団体は、(財)臨床心理士資格認定協会であり、その資格である臨床心理士が、それぞれの得意領域で異なる多様なアプローチにより援助活動を行っています。

■精神科医とカウンセラーの違い

 精神科医は診断を下し、それに基づき薬物療法を行い、場合によっては、カウンセリングや心理療法(様々なアプローチがあります)、デイケアや就労支援など、必要な支援をマネージメントする立場にあります。就労支援や社会的な他機関との連携については、主にPSW(精神保健福祉士)が中心に動く機関もあります。カウンセリングや心理療法などは心理士(施設内の呼称は様々、実際の認定資格やその呼称も様々です)が担当する場合が多く、チーム医療として関わります。しかし、これは施設ごとの規模や体質でだいぶ異なるようです。また、心理士は幾つかの心理検査を行い、面談と総合し、包括的な視点から、クライエントのアセスメントを行います。医師はそれに基づき、診断したり、治療の手立てを検討する場合もあります。しかし、心理士を必要としないと考えている医師もいるでしょうし、医師自身が丁寧に話を聞きカウンセリングや心理療法を行う場合もあります。医師と心理士がうまく連携して機能している機関、もしくは同機関ではなくとも、連携がうまくいくことが、クライエントにとっては非常に大切です。このように役割分担をして援助を行うことになるのですが、実際的には医師とその援助が重複してしまうところがあります。この部分が、心理士の国家資格化を難しくしているところでもあります。しかし、ここで大雑把に分別して、医師は薬物療法と家族や職場等との人間関係の調整、他の治療的関与のマネージメントが業務で、心理士は心理検査およびカウンセリング・心理療法が業務としておきましょう。前者は、主に生理学的・脳科学的な視点があります、後者は心理学的な視点を重視しますが、基本的には両方が重要です。そして、何よりも、クライエントをひとりの個性ある痛みを背負わった人間であり、その人と真摯に向き合うという姿勢であると思われます。

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